キナコログ

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着物はじめの体験記:その4

 

初心者ながら何処に行くにも隙をみては浴衣で出歩いた夏(前回の記事)が終わり、やって来た秋。

9月はちょっと忙しくて着る機会がなく、待ちに待った袷の季節となりました。

 

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10月です!袷の季節です!!!

実は6月の京都旅行にて、リサイクル着物屋さんで一目惚れをして買ってしまった袷の着物があったので、この季節を待っていました。

そして10月後半も、6月と同じ友人と京都旅行の予定が入っていたため、わたしは京都で練習がてら袷着物をいっぱい着るぞ〜!と張り切っておりました。

これはそんなはじめての袷の季節が来たお話です。

 

京都旅行のメイン予定は京都国立博物館に籠ることでした。結局まるっと4日間籠もったのですが、それはさておき、それ以外もあちこち観光したいぞー!と思っていました。秋の京都は見所が多くて大変なのです。

はて、何をどう着ようかと思っていたのですが、そこで出会ったのはウール着物。わたしはそれまで存在を知らなかったのですが、リサイクル着物屋さんでふわっと運命的に出会ってしまいました。(よくよく思い出してみれば、幼い頃祖母から正月に着せてもらった着物がウールでしたが)

調べてみれば、ウール着物は自宅で洗えるとのこと。まあセーターと一緒だしねと考えつつ、同時にこの着物は旅行には最適なのでは?と思いました。洗えるし!(2回目)

しかもリサイクル着物屋さんで主に取り扱う正絹の着物とは一緒に保管ができず、虫が喰ってしまうからか、大変、大変お買い得でしたので迷わず入手してしまいました。そして正絹の着たい着物と、多少の雨や汚れなら気にしないでいいウール着物で旅に挑むことにしたのです。

 

あと何が必要かと考えると、羽織でした。夜は風が冷たい時もあるし、暑かったら脱げばいいしと。羽織も幸い、ちょうどどちらの着物にも合う柄行きのものを一枚手に入れることができたので、それを装備することにしました。

 

着物の下についてはエアリズム半袖とステテコ、その上から新たに入手した筒袖半襦袢ベンベルグ裾除け長襦袢の代わり……という感じにしました。

半襦袢のうち、1枚はレースのものなのですがかなり便利で、買ってよかったなあとしみじみ思っています。かわいいし半衿を別途つけなくても衿部分がレースになって見えるので楽です。洗濯機で洗えるし。筒袖の半襦袢にした理由は袖丈を気にしなくていいので楽かなと思ったからです。リサイクル着物を買ってゆくとどうしても袖丈はバラバラになってしまうので……。

ベンベルグ裾除けも買ってよかったとしみじみ思うものその2です。ベンベルグとはなんぞやと言うと、化繊なのですがものすごく裾捌きが良くて快適、かつ静電気は全く起きず纏わりつかないという最高の代物でした。

結局、この組み合わせが今のところわたしの袷の着物下の常套パターンとなっています。半襦袢は裾を引けば着崩れも簡単になおせるのでよいです。

 

さて、あとは? 足ですね。これまで下駄一足のヘビロテで過ごしてしまったので、この旅行を機に草履が欲しいなあと。歩き回る予定なので、クッション性が無い下駄だと足が流石に持たなそうだし……と思い調べてみると、草履はカレンブロッソという製品がスニーカーと同じような作りになっており、アスファルトに最適、雨の日でも大丈夫という口コミを見て最初の一足はこれだ! と決めて買いました。

結果は大正解。ずぼらをしてぽちってしまったので鼻緒を自分で慣らすのに少しかかりましたが、連日ひたすらアスファルトの上を歩き続けても疲れなかったです!!! あとで知ったのですが、着物の先生も「わたしの周りの人たちも皆、一足はカレンブロッソ持ってるわよ〜」とのことでした。

 

さて、装備を整えたのであとは何日間着るかということになりました。天気予報を直前に確認すると、1週間晴れ予報。

……がんばるか。と覚悟を決め、旅行初日、朝から着込んで新幹線に乗りました。ちなみに帯はリバーシブルの半幅帯でカルタ結び一択でした。

一応何かと便利だろうとワンピースも1着持っていきましたが、旅行中、幸いにして雨にも降られず(夜の帰り道にちょっと降られたのはありましたが……)まるっと1週間、毎日着物で過ごすことに成功しました。

今写真を見返すと毎日苦戦していただけあって、衿元がどれも崩れてるなあとか思うところはあるのですが、初心者ながら毎日着て楽しく旅先で過ごせたことが自分でも嬉しく、やってみてよかったなあと思います。

 

京都では色々な方に助けてもらったと同時に、褒めてもらえたりもして嬉しかったです。(お世辞かもしれないけど褒めてもらえるのは嬉しいから素直に受け取っておくよ!!!)

朝から空いてる綺麗な駅のトイレの鏡の前で衿元がなんだか決まらんなあ困ったなあとのそのそやっていたら、親切なおねえさんに「かわいらしなぁ、ちょっとええ?」とはんなり声をかけていただいてスッスッと色々なおしていただいたりとか……。神社の社務所のおばあちゃんが褒めてくれて、着方のアドバイスもいただいたりとか……。奈良では大阪のおばちゃんふたりに声をかけてもらって一緒にランチしたりとか……。着慣れたひとが多い土地で練習してみて正解だったかなと。

 

あっ、着物を着ていて嫌な思いをしたことは(幸いなことにまだ)ありません!!!

むしろ着てるだけで通りすがりのおじいちゃんにボソッと褒めてもらったり、嬉しそうに声を掛けていただいて「大正ロマンみたいで華やかでとっても素敵ねぇ、見惚れちゃったわ。いいわねぇ」と褒めちぎっていただけたりと、着てその辺を歩いてるだけで褒めていただけるので幸せな気持ちになってばかりです。

街中で知らない人に声をかけるって、とっても勇気がいるじゃないですか。でもわざわざ声を掛けてくださる方がいらっしゃるんです。嬉しいですよね。

 

ちょっとイレギュラーかなとは思いますが、わたしのはじめての袷の季節はこのようにしてはじまりました。

着物、たのしいです。

 

次回、「寒さ、到来。」

 

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本能寺境内を歩くわたしの図(撮影:友人)