着物はじめの体験記:その2
さて、前回の記事で気軽な着付けレッスンを習うことに決めました。
次は何をする必要があるのか。
そう、レッスンを受けるためには着物と着付け用品一式が必要なのです。
レッスン用の一覧に載っていたものを、なんとなくの記憶から書き出してみると
・長襦袢
・襟芯
・腰紐6本
・伊達締め
・コーリンベルト
・着物クリップ
・補正用のタオル
・着物
・名古屋帯
・半幅帯
・帯揚げ
・帯締め
・帯枕
・帯板
・足袋
みたいな感じだったと思います。
今でこそ適度に羅列することができますが、一覧表をもらった当時はちんぷんかんぷんもいいところで「半襦袢と長襦袢……? 同じ襦袢だけど何か違うの?? 伊達締め?ってなに???」という気持ちで家に帰りました。(ちなみに半襦袢は汗取りを兼ねた下着、長襦袢はそれの上に着る下着みたいな感じです。和装ブラは入会特典でもらいました)
さて、大変なことになったぞと。
これはイチから揃えてられんわ〜!と思ったので、まずは実家に打診しました。振袖を着る時にとりあえず小物類は一式揃えた記憶があったのと、母も時代柄習っていたことがあると言っていたのを思い出したので。
あと最終兵器は祖母です。絶対なんか出てくるやろと。浴衣自分で縫ってたし。
母に箪笥を軽く捜索してもらった結果、大体あるんじゃない? という返事が来たのでいそいそと一覧表片手に実家に帰りました。
結果、運良く名古屋帯、着物、長襦袢、帯揚げ、帯締め以外は確保できました。帯揚げと帯締めは礼装用しかなかったので辞退。(叔母の着付け小物も出てきたのは何故なの母よ……)あと着物用ハンガーも何故か二本出てきたので一本拝借。
その後祖母のところへ駆け込み。
理由を話すととても喜んでくれて、禁断の嫁入り箪笥を開いてくれました。わたしそこ開けてるとこ見たことないよおばあちゃん!!!お寺の何年おきとかに開く特別開帳みたいだよおばあちゃん!!!!!(蛇足ですがこの嫁入りの桐箪笥は戦後の物がない時代、祖母のことを一等かわいがってくれていたお兄さんが用意してくれたものだそうです)
斯くして本当に、本当に運良く、無事に着物以外を手に入れた……筈だったのですが。
祖母から借りた長襦袢はモスリン(毛織物)で出来ており、手縫いのため襟芯がうまく入れられない仕様のものだったのです。
ちょっと練習には難しいかも……と先生に言われたので長襦袢を確保するためネットの海にダイブ。
いわゆる「嘘つき長襦袢」というものに目をつけました。
というのも、私が習い始めた時期は5月の中旬。着物には衣替えの時期があり、6月からは単衣という、裏地がついていない薄手の着物を着ることになるのです。(裏地がついているものは袷と言います)
その後に控えている季節はそう、夏です。
夏は半衿という着物からチラッと見える襟の部分と袖の部分を、薄く透ける「絽」という生地にしなければならないということをネットで調べ上げていました。また、着物も単衣から夏着物(薄物)に衣替えです。
それならば、今から習い始めて自分で着て出掛けられるようになる頃は確実に夏。ということは夏仕様の「嘘つき長襦袢」を買ってしまえば、悩まずすぐに着て出掛けられるのでは?と思い至ったのです。
「嘘つき長襦袢」とは何か、というと多分メーカーさんによって定義が揺らぐのですが、上記の夏仕様にしなければならない半衿と袖部分があらかじめ「絽」の状態になっているもので(ポリエステル)、身頃部分は楊柳(涼しい綿素材)仕立てのものをわたしは買いました。
半襦袢の上にこれを着れば、よく分からない半衿の縫い付けもしなくてよさそうだし、洗濯機で洗えるし、楽なのではと。
結果は初心者としては正解でした。
安かったし。(初心者的には大事なところ)
あと、体験か1回目のレッスン時、先生に腰に補正があった方がいい体型と言われていたので、ついでに補正用の腰パッドも一緒に注文しました。
あとは着物ですね。
着物については、リサイクル着物屋さんに行きました。意外と町中にはリサイクル着物屋さんが潜んでいます。チェーン店もあったりします。
洋服ユーズドで買ったことないな、って感じでしたが(ファッションに興味が薄い)着物はユーズドの市場が大きい&普通だと思います。やはり正絹のものとなると新品は手が出しにくいのもありますし、アンティークなどはもう今は技術的に作れなかったり、雰囲気のある柄ゆきのものがあります。また、探せば新品同然のしつけ糸つきのものもあったりもします。
長襦袢についてもリサイクルで売っているので、正絹のものでいいという方や、探すのが苦でない方は洗える綿や綿麻、ポリエステル生地のものを探すのもよいかと思います。(ポリエステルは生地によっては静電気や纏わりつきがすごいとも聞きます)
着物はサイズも何もわからないので、その場で店員さんに測ってもらい、合うものを店内から探し出す感じでした。
稽古着のつもりではありましたが、出掛けても大丈夫そうなコンディションで、テンションを上げるためにも気に入ったものを。あとは名古屋帯に合うことを条件に、とりあえず季節に合わせて正絹の単衣を1枚入手しました。
さて、これでようやくひと通り揃ったのでレッスン開始です。
次回、「夏は暑い。」
※小物一式を自力で揃えなければならない場合、よくある「はじめてセット」でもいいと思いますが(お手軽かつお得な場合が多いと思うので)、使いにくいものが混じってる場合もあると思います。とりあえず買って気に入らないものは後から買い換えていくつもりでいてもいいし、色々調べたり聞いたりしながら落ち着いて揃えるのもありかと思います。